社会戯評・・83
風が吹く?
政界で風が吹くとは、衆院を解散する「解散風が吹く」という政冶の動きを例えた政界独特の言葉である。9月から10月にかけてその風が起きた。自民党が例年であれば1月に党大会を開催するが、本年度は3月にずらしたが故に、なおさら年明け解散説が流れている。また、民進党の蓮舫代表も衆院選があれば参院から鞍替えも辞さずと言うからより現実味を帯びてきた。さらに、民進党も大会を3月に変更し迎え撃つ態勢を整えている。とすれば、いよいよ年明け総選挙間違いなしと先生方は地元へ走り出している。それは自ら走って風を起こし解散の雰囲気づくりに一役買っているようなもの。▼この記事出稿の時点、福岡6区、東京10区の衆院補欠選挙の結果は出ていないが、二つの補欠選挙は〝解散戦略を左右する〟〝次期衆院選を見据えた野党共闘の成否を占う〟とかマスコミが煽るので実態以上に興味が湧く。▼ところで、解散ともなれば、またもや憲法改正の是非論が浮上する。改正発議要件の議席3分の2阻止とか、マスコミ論評もかしがまし。現行憲法の9条死守論の声も多い。確かに、大いに論議すべき条文ではある。中には自民党の改正素案第24条に「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」、とこれまで無かった条文が加憲されている。もっとみんなに注目されてよい改正条文である。コミュニティの人間関係の希薄化が指摘される昨今、その基礎的な家族のつながりを呼び掛けていると思えるが?(立井 大楠)