社会戯評・・79
参院選と政治家の品格!
本紙が発行される頃は、参院選の真最中である。それまでには東京都知事の去就も決着しているはず。舛添氏には直言する友人も居ないのだろうかと憐れみを催す。そう思っていた矢先、舛添都知事辞任の一報がTVのテロップで流れた。都民に見限られ世論に火が付き大きな流れになる最近の劇場型政治には抗しきれない。かつて舛添氏は雑誌の座談会で、選挙で敗北したある政党の党首を「聞くに堪えない」「全く空虚な言葉が並ぶ」などと辛辣に批判していたが、それがそっくりそのままブーメランのごとく自分に襲い掛かっている。また、第三者という元検事さんの報告書「適切とは言えないものの、違法とは言えない」などという言い回しにも世間が苛立った。違法性云々よりも、舛添疑惑は「せこい」がゆえに世論の反発がよけい大きかった。知事の資質が問われた一件であった。▼それはさて置き、参院選に話を戻そう。今は公示直前、各党舌戦が激しく、党幹部が選挙区のテコ入れに躍起になっている。マスコミは党首発言のあら捜しに血眼になっている様子が伺えるが、まだ決定打が出ていない。野党は政権党を立憲主義や安保法制で攻め立ててはいるが(共産党を含む選挙協力のためそうならざるを得ない?) 国民の生活感や関心事とはちょっとずれている。▼一方の政権党は経済政策の訴えには自身を示してはいるが、国民への浸透が今一つ足りない。何れにしても、与野党とも地方の戦いを中央幹部依存では情けない。選挙区内の国会議員、地方議員が日頃いかに県民に密着した活動をしているか否かが分かれ道となる。また、政治家(候補者)の品格が問われるのも選挙。もうすぐ結果が出る。(立井 大楠)