社会戯評・・77
政治家の治療は優先に!
「耳の日」が制定されていることを、つい最近まで知らなかった。3の字が耳の形に似ていることと、「み「3」み「3」の語呂合わせから3月3日となったそうだ。ところで、本題はそのことではない。ある本にあった「政治家の治療は、とくに優先してお願いします」(声なき声)と一口風刺のコラムが目にとまった。コラム氏のユーモアに思わず納得。最近の政治家は罵声が飛び交う国会活動で耳を傷めているのか、国民の声がよく聞き取れない人が多いようだ▼だとすれば、国民の声がよく聞こえるためには、政治家を優先する〝耳治療〟も止むを得ない▼かつて、野田佳彦元総理(旧民主党)は官邸周辺の抗議デモの声を耳にして「大きな音だね」と語ったと批判されていた。耳には届いていても、国民の声が、単なる「音」にしか聞こえなかったら耳鼻科ではなく、脳神経科の診察優先になりはしないか心配だ。安倍総理も予算委員会の席で、ブログ「保育園落ちた 日本死ね」論争に関して「匿名であるから、本当に起こっているのか、確認しようがない」と、あまりにも素っ気無い答弁で、火に油を注ぐことになってしまった。昔は、心ある代官は民のカマドからあがる煙を見て、村人たちの生活に心配りをしたと言われている。政治がそうであれば、今の社会はもっと和んだものになろう。政治家には声なき声を聞きとることも期待したい。(立井 大楠)