社会戯評・・41
「自他尊重」と協働!
新年度の事業や予算を審議する県議会に、突如「新しい風」が吹いた。
既存会派の古手の幹部は、右も左もなく一斉に驚き対応に苦慮された。
それも手練手管に長けたベテランの行動と思いや、女性で一期生の議員が、
しかも「たった一人の反乱」(丸谷才一の小説の題名にあったな~)
と聞けばその勇気に尚更驚いてしまう。
この女性議員はさっさと一人会派を立ち上げてしまった。
当選後これまで2年間、
たまたま「県民クラブ」という混成部隊(社民党、民主党、生活の党)に所属していたが、
労組代表が多くそのバランスで結論が出にくい上に、
自民党除名組(4人)とも野合して数の力で議会運営に当っている等、
正常な議会活動とはかけ離れているというのが
一人会派「新しい風」設立の理由のようだ。
そして、自らの行動を
「不完全な自他を存在として尊重しながら、
目的に向かって協働していく生き方」と位置づけ、
「自他尊重・協働」の理念の基に議会活動をしていくことを宣言されている。
今時、これほど明確に自らを規定して、
損得抜きで政治の世界で生きていこうとされる地方議員はめずらしい。
魑魅魍魎が跋扈する政界でその勇気に大きな拍手を送り、前途に期待したい。
(立井 大楠)