社会戯評・・81
行政用語の「検討」「研究」?
明野団地の開発50周年記念事業として、住民の手によって「明野創生ビジョン」(明野地区活性化指針)が策定され、学者や関係機関等で話題となっている。その指針の柱に、大分市・支所(出張所)の在り方を見直し、行政機能の拡充、施設の拡張、同時に図書館や交流プラザを備え地域住民の活動拠点施設として明野出張所をモデル的に整備することをめざしている。▼明野地区は手始めに、地元市議会議員を通じて、その考えを先の市議会で質してもらった。ところが、執行部は出張所の機能については「検討」する。支所の在り方は「研究」するという答弁であった。今回はジャブの応酬としてやむを得ないとしても、行政用語でその場を凌ぐだけでは済まされまい。「市民協働のまちづくり」を理念に掲げているからには、住民と共に取り組む姿勢で答弁は具体的でなければならない。▼ところで、大分市は昭和38年に鶴﨑市を含む2市3町1村が合併して、新産都建設に備えて発足した。その時の「合併の運営に関する申し合わせ事項」により「合併によって、地域住民に急激な変化を与えない」という方針で、「経過措置」が取られた。それが現在の支所設置(鶴﨑、坂ノ市、大在、大南、稙田)の考えとして継続している。大分市の住宅の広がり、人口分布など都市化の状況に合わせて見直していくべきでなかろうか。(立井 大楠)