社会戯評・・80
中央幹部依存症?
参院選は終わった。「心揺さぶる言論」による戦いはなかった。大分には与野党とも中央の大物政治家と称される政党幹部の応援が多かった。これまでの国政選挙には見られない華やかさであった。受け入れる与野党の選対もそう思っていたのではないか。開票の夜、僅差で当選した人がインタビューに応えて、「大物の応援は良くない。県民は好まないのではないか」といった内容のことを述べていたが、相手候補への政党幹部の応援を皮肉った言葉にしては、自らの選挙運動にも同じことが言えるのではないか、とTVを観ながら苦笑いした。与野党とも地方組織(議員)の活動が日頃機能せず、国政選挙ともなれば中央幹部依存にならざるを得ないのだろうと同情もするがあまりにも情けない。▼中央幹部依存に関し、今回の選挙で巷の話題となった特筆すべきことは、中央幹部が応援に来るたびに、大分の国会議員が幹部を取り囲んで演壇に並ぶ光景である。中央幹部と共に演壇に並ぶことが、応援に厚みをまし、また、自らを売り込めると勘違いしているのではと随所で囁かれていた。屋内集会でも街頭においても、集まった人の心情を汲んで出来るだけシンプルな集会が受けるようだ。状況によって前座を務めるにしても、話す内容はただ中央の政策を説明するだけではなく、大分県民の心を揺さぶるものがほしい。そのためには、日頃、県下を隅々まで歩き実情を見て回り、住民と対話することが欠かせない。▼その基本活動がなくいかに声高に演説しても、集まった人の心を揺さぶる言葉とはほど遠いものである。(立井 大楠)