社会戯評・・78
日本人が劣化した、幼児化した?
最近、日本人が劣化した、あるいは幼児化した、と有識者(?)の発言が目立つ。特に、政治家の低レベルの言動を取り上げていることが多い。それもそのはず与野党を問わず毎日のようにマスコミを賑わす暴言、失言、それも熱意のあまり、ちょっと過ぎたと言ったものではない。それに女性が絡む不祥事、あるいは政治資金の虚偽記載など「普通の人間としてどうなの」、といちいち記す気にもなれない。政治家の資質を論じる以前の問題だ。香山リカは「劣化する日本人」(ベスト新書)の中で、政治家の失言・暴言のタイプの一つに「権力を手中にしたばかりの人にみられがちだが、不慣れなポジションについ舞い上がってしまい、軽い躁状態となって口をすべらせる〝脱抑制型〟」があると記している。もう一つ引用するが、榊原英資(大蔵省―青山学院大教授)によると、現代の日本人は世の中のできごとを一方的に白だ黒だと決めつけることが多い。これは日本社会に思考の退化が進み、人間の幼児化が起きているからだと指摘している。このように深く考えずに白か黒かを単純に決めてしまう二分割思考は、思考が停止し脳の機能も衰えてしまうそうだ。▼ここに紹介するのは、香山リカが非難する「躁状態」に適合する議員のこと。その人は政調会長に就任した民進党の女性、「安倍は憲法の基本の『き』も知らない」「安倍は辞めろ」「安倍はおかしい」と悪口雑言。ある意味気の毒な分不相応な人事で舞い上がっているのか、高校生を前に暴言を吐いて気勢を上げていた。(立井 大楠)