社会戯評・・74
〝品位と資質〟を問う
党内で厳重注意という話も伝わってこない。1月12日の衆院予算委員会での民主党議員の質問、ともかくひどい質問だった。質問と言うより誹謗中傷の類いだ。一国の総理を非難するというより、拉致問題を貶め、拉致被害者家族会の団結にもひびを入れかねない発言?とTV中継を見ながら心配した。▼いかに国会における議員の発言が自由と言っても、国民を代表する議員の品位や資質に欠けると言わざるを得まい。日頃、拉致問題に熱心でもない議員が、ただ一冊の本(家族会から退会させられた人の著書)を頼りに非難質問とは笑止千万である。北九州の友人に聞くと、民主党福岡県連代表、福岡9区出身だが一回目は当選、二回目は落選、三回目も落選し比例復活の議員なので、少々焦りが出ているのではないかとのことだった。▼最近のマスコミは、与党議員のちょっとした発言ミスや失言なら大々的に取り上げているようだが、国益にも関わるこれほどの発言が、問題発言として報道されないのには首を傾げたくなる。1月15日の「東西南北」の記事にも何か腑に落ちない。多数決の論理に疑問を呈した記事ではあるが、明らかに現職の安倍首相、岡田代表、吉田党首をイメージさせる記述となって、読む人をして、あたかも安倍首相が国民多数の支持ではないかのような誘導記事である。こういうテクニックも一冊の本(「多数決を疑う」板井豊貴、岩波新書)を引用した文筆業の技なのだろうか。(立井 大楠)