熱中症は外部からの加熱によって深部体温の急激な上昇を来して起こる障害で、発症には激しい労作や周囲の高温環境に加え体調不良・服薬(風薬や抗アレルギー薬等)・皮膚疾患(あせも・湿疹等)等様々な増悪因子が関与します。発症の時期は真夏よりかえって5月・6月の暑さに体が慣れていない頃に多くみられます。発症を避けるためには何より水分・塩分の補給が大事です。口が渇いてからの補給は遅すぎ、労作・運動前に250ml~500mlの水分補給した上で30分毎に同量の飲水が望まれます。水分調整の確認には体重を指標とし、1日の体重減少を1kg以下にすべきであり、体重減少が前日の4%以上なら、翌日の活動休止が勧められています。発症後の対処は冷却が第一で、涼しく・風通しの良い場所に移動し、水を霧吹き等で全身にかけ、うちわなどで扇いで下さい。熱中症には生命に危険な合併症が後に伴いがちですので、その後に医療機関への受診が勧められます。
【執筆】医療法人平田医院 平田雅敬院長 (王子中町9-37 ☎536-3322)