社会戯評 『春日かけ橋』平成20年10月号♪
商売は「三方よし」!
またか!食品偽装。今回は事故米の不正販売。これまでに比べ市民生活への影響範囲が広く大きい。なぜ、農薬やカビ毒で汚染された事故米がこれほど流通していたのか、なぜ、業務用品が食品会社に売られたのか不思議でならない。流通過程でよほど巧妙な不正、偽装を凝らしたのだろう。また、買う側の企業にも少しでも安い米を、といった商魂が働いていたのではと首を傾げたくなる。食品に対する不安と憤りの声、そして農水省への不信感も当然である。「消費者はやかましい」と前に発言した農水大臣、今回は「ジタバタ騒がずに…」と言ったそうだが、もがかなくとも早く解決に努力してもらいたい。▼こういった問題が、最近「内部告発」でしか発覚しないとは、会社経営者・社会のリーダーの道義心もその劣化が著しいようだ。▼近江商人の経営理念は「売手よし、買手よし、世間よし」という「三方よし」と聞くが、当事者の売手と買手だけでなく、その商売が社会全体の繁栄に寄与するものでなくてはならないという考えであろう。そういう世の中でありたいが。
(立井大楠)2008年10月号