多事戯論 『西の台かけ橋』平成23年4月号♪
二つの高齢化?
ある会合で話題となった。
議論は二派に割れ伯仲した。
主張にはそれぞれの生い立ちも絡んでくるが、
なかなか聞き応えがあった。
それは「過疎地の高齢化と団地の高齢化」は、
どちらが生活に困難か(悲惨か)、
という議論であった。
田舎は高齢者が多く
過疎地・限界集落、
もはや共同社会が維持できないなどといわれているが、
お互い高齢になっても、
ガキの時代から同じ地域で育ち、
小学校、中学校、あるいは高校までも同窓生として
一緒に学び遊んだ仲間である。
ケンカをしても何でも相談できる間柄である。
地縁、血縁はまだ残っている。
ところが、団地生活者は成人してから、
しかも家族を持ってから移り住んだ人ばかりである。
お互いに協調精神を持って、
何とか融和を図ろうとそれぞれ努力はしてきたが、
若い時は「社縁」一筋、
高齢になった時には
すでに子供は旅立ち「血縁」もなし。
それでは「地縁」を
と焦っても時すでに遅し、
孤独社会の真っ只中にいるとすれば
団地の高齢化ほど生活環境は厳しい、
というところに議論は落ち着いたようだった。
とすれば、
大分市が推進する
「地域コミュニティの再生」
という言葉の響がいい。
(隈田 伸)
2011年4月号