多事戯論 『西の台かけ橋』平成22年11月号♪
「気になる」こと
政権交代してから
「後期高齢者医療制度」があまり騒がれなくなった。
その制度を廃止するとした事で、
高齢者も一応納得したのか、
マスコミも取り上げなくなり、
巷でも話題に上らなくなった。
たしかに「高齢者医療制度改革会議」なるものが設置され、
複数の制度が検討されてはいるが、
税投入や他の共済からの財政支援もままならぬようだ。
病院にかかることの多い高齢者は
内心気の休まる間もない。
ところで、恐る恐る病院に行くと、
最近、やたらと目に付くのが「患者様」の文字だ。
いつ頃から我々病人を
「患者様」のバカ丁寧語で呼ぶようになったのだろうか。
知り合いの病院事務長に聞いたところ、
厚労省が出した病院サービスの指針に
「原則として患者の姓に『さま』をつけるという内容があったので、
その考えを各病院がこぞって取り入れたのだろうと、
ちょっと自信がなさそうな顔つきであった。
そう聞いても、「患者様」には違和感を覚える。
患者=病人と置き換えて「様」を付けてみると一層はっきりする
▼ある友人によると、
今や病院も医療技術よりサービス合戦、
患者獲得競争である。
一病院が「様」呼びすると負けずと
「様」扱いする横並び精神。
サービスの勘違いではなかろうか、という話。
(隈田 伸)
2010年11月号